ギャラリーテン/gallery ten〜コラム vol.111 "今井一美さんの使い心地のよい器" "フクイリハルさんの着心地のよい服"

ギャラリーテン/gallery ten〜コラム vol.111 "今井一美さんの使い心地のよい器" "フクイリハルさんの着心地のよい服"

<2018年3月号>

今井一美さんの使い心地のよい器

今井一美さんとは長い長ーいお付き合いです。
その長い間、変わらぬ今井さんの作風、変わらぬ今井さんの美貌、変わらぬ今井さんの制作スタンス、・・・・・。
全く変わらないわけではなく、その時その時に少しずつマイナーチェンジされていますが、
ブレない芯に肉付けされたりそぎ落としたりしながら、確固たる今井ワールドが展開し続けられているのです。
日常の器として使い勝手がよいのは言うまでもなく、カラフルで美味しそうな野菜や果物が描かれているのが
食事の楽しさを一層引き立てるのは間違いありませんね。

ここ数年、インスタグラムなるSNSが大流行。
今井さんは、インスタグラムで”今井一美”とタグ付けされた画像を見ることで、
自分の器がどんなふうに楽しく愛着を持って使われているかを知ることができて興味深いのだそうです。
たしかに雑誌等で料理家が器に盛り付けた写真を見ることはあっても、
なかなか一般の方の食卓での器の使いようを見ることはできません。
たぶん自分の娘(器)が嫁ぎ先で家族の一員として大切にされているような感情を覚えるのではないでしょうか。

以下、今井さんのおもしろいコメントです。
今回、在廊日もたくさんあるので、ぜひキュートな今井さんに会いにいらしてくださいね。

「どこが好き?」と聞いて、すぐに答えられるカップルはすぐに別れることでしょう。(悪)
だから「どこがいいの?その器?」と訊かれたら
「いいか悪いかわからないけれど、なぜか毎日使ってしまうの。」という答えが出るような器・・・。
また、小さな脳みそ(特に私の)が考える良し悪し、好き嫌い、役に立つ立たないを超えて、
体に、生活に、電気のうすいカマボコ板(=スマホ)を持つ”今”を生きているということにシックリ馴染む器が作りたい。







フクイリハルさんの着心地のよい服

リネンウェアと編組品のデザイン・制作のかたわら、船橋市でニット教室を運営するフクイリハルさん。
彼女が率いる”アトリエイド”では、手しごとを通して派生するヒトの輪・モノの輪・コトの輪が、リハルさんの周りを密にとりまいています。

アトリエイドの服やカゴは、昨年初めてテンで展開しました。
大好評のうちに会期が終了したのですが、私も含めイドの服に大きな満足感を得られ、ヘビロテで着用する方続出!
とりわけテンでもすっかりおなじみになった『モンキーパンツ』は、しっかり織り込まれたウールにも見えて
実はやはり、冬暖かく夏は涼しいリネン100%。
冬はブーツにシックに、夏はサンダルでやんちゃ(?)に、コーディネートによってさまざまに表情を変える便利なアイテムとして一年中大活躍。

春先のイチオシは『たーーーっぷりキュロット』に仕立てられたフレンチリネン。
鮮やかな発色、軽やかな足さばきは、ハツラツと活躍する女性をイメージして制作されています。

実際自宅で気軽に洗濯でき、着るだけで無理なくシルエットを美しく整えてくれるアイテムたちは、どれも忙しい女性たちに大好評です。
ベーシックに見えてありそうでなかったデザイン。
生地とパターンから生み出される表情にこだわって、調整を重ねてきた一点一点手作りのイドのウェアたちは、
一度身につけてみると、何気ないデザインに隠れた機能性を実感できるでしょう。

今回もペーパーコードで丈夫に編み上げたカゴも登場します。

また『ダーニング』のワークショップも初登場!
穴のあいたニットや布製品を繕って、世界にひとつだけのお気に入りウェアにしちゃいましょう。どうぞお楽しみに!






コラム vol.111 "今井一美さんの使い心地のよい器" "フクイリハルさんの着心地のよい服"