ギャラリーテン/gallery ten〜コラム vol.6 "FULL""松岡装子さんのアトリエ訪問"

ギャラリーテン/gallery ten〜コラム vol.6 "FULL""松岡装子さんのアトリエ訪問"

FULL 松岡装子さんのアトリエ訪問(ギャラリーテン〜コラム vol.6) <2006年8月号>


    









FULL
寝顔コレクション

FULL ♪

ウチには2歳半のヤンチャ息子がいます。
フレンチブルドッグのFULLです。

FULLは今や我が家のアイドル(家長?)となっています。
私たちが甘やかしに甘やかしてしまったため、家族のことを完璧になめきっています。
言うことをきくどころか、わがまま放題なのです。
家の中で一緒にいるときも、リードから手が離せません。
なぜなら、自由の身になるやいなや、疾走したり、辺りかまわずかじったり、大変な騒ぎになってしまうからです。
こうしてヒトがワンコにブンブンふりまわされながらも、にやけっぱなしの情けない私たちです。

フレンチブルドッグは鼻ペチャなので、寝ると、垂れたほっぺをプルプルしながら、すごいイビキをかきます。
そして、大きなめんたまでまぶたが閉まりきらず、ホラーなまでの白眼。
しまいには、仰向けになって大の字状態。
しかしながら、これがまたかわいらしくてたまらない!
この寝顔を見ていると妙に癒されるのです。
時々、“小顔イケメン”な「もこみち?」とか、“ちょいワルおやじ”な「ジローラモ?」とか呼んじゃってます。

FULLはヒトが大好きです。
ギャラリーにいらっしゃる方ひとりひとりに愛想をふりまき、うれしさ余って突進。
いろんな人たちがお相手くださり、とても楽しそうです。
それでも夕方頃には疲れて誰が何と話しかけようと、フゴゴゴ〜っとすさまじいイビキ音を放ちながら爆睡。

散歩していると、FULLを見た人の反応は大きくふたつに分かれます。
「かわいいっ!」  or  「・・・・・・・」(半笑いで通り過ぎる)

先日“イヌゴエ”という映画のDVDを見ました。
主人公のフレブルの吹き替えは、関西弁のおっちゃん声でした。
ファニーフェイスのキャラとしてはかなりピッタリくる
 ( ̄ー ̄(_ _( ̄ー ̄(_ _うんうん!

この春には、あるイベントに参加しました。
都内にある大きな公園で、フレブルが集うという趣旨。
100頭近い大群のフレブルと、その家族およそその倍が参加。
偶然公園に居合わせた人たちにとっては、きっと異様な光景だったことでしょう。
どの子もとても愛らしく、ワンコたちも私たち人間もテンションが上がりっぱなし。
ただ、帰りの車の中で「やっぱりFULLが一番かわいかったよねぇ。」と、いつもの親バカが・・・。

あなたにとって、一緒にいると、あるいは、傍にあると、幸せになれるものって何ですか?



松岡装子さんのアトリエ訪問

今回の3人展のうちのお一人・松岡装子(なりこ)さんのガラス工房を訪れました。
富士山の麓にある小山町という歴史の古いのどかな町。
なだらかな山々の深い緑や川のせせらぎが辺りをとりかこみ、ヒーリング・ドライブです。
そして、いたるところから金太郎さんの看板やマークが眼に飛び込んできます。
思わず「あ〜しがらや〜まのき〜んたろ〜♪」と鼻歌が。

松岡さんのアトリエに一歩入るなり、ものすごい熱気に包まれました。
1000℃を超える高温でガンガン焚かれた炉が3基。
真夏は水分をマメにとらなければ、熱中症で倒れてしまうとのこと。

体調を管理していても、夕方頃には頭痛がしたりすることがあるそうで、「ここで仕事すれば痩せられそ〜」というノンキな感想はご法度!

装子さんのご主人の洋二さんもガラス作家さん。
伺ったときは、青山での展覧会直前の洋二さんが炉に向かっておられました。
長い棒の先のガラスを炉に入れ、出したものを成形し、また炉に入れ、また出して整え、そしてまた炉に入れる・・・。
この作業を何度も何度も繰り返し、だんだんカタチができていく。
炉に入れたものをプ〜っと吹いて出来上がりだと思っていた自分が愚かでした。
そういう大変な作業をなさりながらも、人なつっこい洋二さんのトークが絶えません。
かなり楽しませていただきました。
洋二さんのウチでの展覧会は再来年を予定しています。
シンプルながらもどこかクニャっとしていて優しい、お人柄を表すかのような作品です。お楽しみに。

さて、装子さんの作品はというと、そういう工程を経てできあがったガラスの素地に、エナメルで絵付けをし、それをまた焼き付けるという作業が加わります。
絵付けも一気に描きあげるのではなく、少し描いては焼付けし、また次を描いては焼付けし、・・・。
それはそれは気の遠くなるような制作過程です。

私が装子さんの作品のファンなのは、ガラスのカタチの美しさもさることながら、そこに施される絵の世界に惚れてしまっているからです。
夢で見るような、ヨーロッパの絵本に出てきそうな、なんとも独創的な絵と配色なのです。
見ているだけで想像力がふくらんできます。

ウチのFULLの写真を持参し、なにか作っていただけるようお願いしてみました。
いったいどんな絵になるのか、楽しみで楽しみで待ちきれませんっ!



コラム vol.6 "FULL" "松岡装子さんのアトリエ訪問"