＜２０１４年８月号＞
廣西雅子さんの帽子の魅力
福岡市内の老舗“UNTIDY”には、強く惹かれるような古道具や感度の高い現代モノがたくさんあります。
昨年、その店主・大塚淳子さんのヴィンテージの世界の布やそれらで作られたバッグの展覧会をするにあたり打ち合わせに伺いました。
その時、素敵な帽子を大塚さんがかぶっていました。それが、今回の廣西雅子さんの作品との出会いでした。
今回、そのご縁もあり、昨年好評だった大塚さんのビニールバッグとともに、廣西さんの夏の帽子を展開します。
人体（人間）、各々の考え方を含め、それらの形に大きな興味があるそう。
あるとき普段自転車で移動することが多い彼女にとって必需品の帽子を探してみるも、好みのデザインやピッタリのものがない。
それでは自分で作ってしまおうと、帽子を作り始めたのが作家となるきっかけでした。
もともと立体の造形には関心が高かったし、何か自分にとって気持ちの良い形を生み出すことは楽しい作業でした。
廣西さんの帽子は、奇をてらわずシンプルで装飾はほとんどない。
でも、どこか洗練されていてフォルムが美しい。
夏用の素材として、シゾール、細ケンマ草、ペーパー、バオーなど、天然のもつしなやかさや爽やかさが備わります。
ありそうでどこにもない帽子でいて、もっとうれしいのが採寸をしてそのサイズに合わせて制作してもらえることです。
「帽子は似合わない」と思い込んでいる人が時々いますが、そういう人はバランスのよい帽子をかぶっていないのではとのこと。
顔の雰囲気や形や大きさと、帽子のツバの広さとのバランスが重要なのです。
また、かぶらないよりかぶった方がその人の魅力を増すような帽子を作ることをこころがけているともおっしゃいます。
紫外線から地肌や髪を守るという機能も果たし、イメージアップのアイテムでもあるなんて、一石二鳥ですね。
廣西さんは敬虔なクリスチャン。
イスラエルを巡礼したり、聖書を読破するためにグループで聖書100週間というのに参加したり、・・・。
美容と健康のためにバレエも長く続けています。
朴訥とした雰囲気の中に、確固とした信念と繊細な気遣いも感じられる女性です。
今回、廣西さんが福岡から駆けつけ、二日間在廊してくださいます。
帽子についての相談をしたり、廣西さんの人となりにぜひ触れてみてくださいね。
吉田貴志さんの独創性
2007年、アパレルブランド〝beanxioua（ビーアンキシャス）”を地元・京都に設立した吉田貴志さん。
デザインから製造、販売までを自社で行うファクトリーブランドで、
国内外のアパレルブランドとbeanxiousとのコラボレーション・ダブルネームも多数手がけ、
“ヨウジヤマモト” “アシュ・ペ・フランス” “スヌーピー”等のデザインから製造までを行っています。
吉田さんのTシャツには、独創的なインパクトあるデザインとプリントに大きな特徴があります。
切り絵が好きで、友禅型に携わる仕事につこうと考えましたが、見つかりませんでした。
以前は、９年間、シルクスクリーン製造会社で、デザインとトレースの仕事をしていました。
その時に、京都市内でフロッキー加工の職人のおじいさんと知り合い、フロッキーの技術に魅かれ、 会社を辞めて彼の弟子となりました。
そして、その技術を継承し、２年後独立したという経緯があります。
フロッキーというのは、プリントがモコモコした立体的な異素材でできています。
この加工は、桶の底に2万～10万ボルトの直流高電圧をかけた網から抜けた短繊維を、
高圧電界内において静電吸引力を利用して接着剤を塗布した素材に垂直に植えつける技法によるものです。
吉田さんのＴシャツのプリントは、そのフロッキー加工の立体的な部分と、シルクスクリーン捺染の平面的な部分が、 彼独自のユニークなデザインによって成され、“着るアート”として身近に楽しめるのが魅力です。
Ｔシャツは年中登場するアイテムですが、
特に夏場、一枚着ただけのシンプルなTシャツに、おもしろいプリントがあるだけで、キュートなスタイルができあがります。
大活躍でヘビロテの一着になるでしょう。
今回、メンズ、レディス、子ども、ベビーと、多様なサイズと多様なカラーで展開。
個人だけではなく、家族で、カップルで、グループで、・・・、テンションが上がるお気に入りのTシャツを探してみませんか。
コラム vol.69 "廣西雅子さんの帽子の魅力" "吉田貴志さんの独創性"
