ギャラリーテン/gallery ten〜コラム vol.129 "赤地径さんの赤" "フクイリハルさんの赤"

ギャラリーテン/gallery ten〜コラム vol.129 "赤地径さんの赤" "フクイリハルさんの赤"

<2019年11月号>

赤地径さんの赤

著名な陶芸家であるお父様の健さんの創作の姿を見、その器で食事をして育ってきた赤地径さん。
金沢は文化の街。ことに工芸・やきものの街です。

子どもの頃からそんな環境にいた赤地さん、さほどやきものには関心もなく、大学文系に進学するも2年で中退。
その後、ブラブラしていたが、なんとなく九谷研修所で絵付けを主に学ぶ。
お父様と親交のあった大御所・伊藤慶二さんの勧めもあり、多治見市陶磁器意匠研究所に入所。
やきものの奥深さを知り新鮮な気持ちになるも、そこには絵付けをする人がおらず、かえって絵付けの面白さに気づく。
金沢に帰って父を改めて尊敬し自分もその道に進むことを決意。
人の役に立つもの→器→特に飯碗を作る人になろう! と、意欲的に現在に至ります。

赤地さんの作品には、九谷の赤絵に大きな魅力があります。
赤地さんは、視覚として元気になる華やかな赤という色を大切にしていると言います。
前田家の家紋の梅は加賀の象徴で、シンプルで美しく品のあるモチーフ。
赤地さんの作品には、そんな伝統の梅もモダンに描かれ、私たちの心を癒してくれます。

私の自宅では15年以上、赤地さんの飯碗を愛用し食洗器でガンガン洗うも欠けも割れもしない頑丈さ。
清潔感のあるツルツルの磁器の肌、手にスッとなじむサイズ感・重量感、飽きのこない絵柄、まさに秀逸な”用の器”。
今回、飯碗、鉢、皿、カップなど、バリエーション豊かに300点以上の作品を展開いたします。お楽しみに!














フクイリハルさんの赤

常に笑顔でアグレッシブなフクイリハルさん。
リハルさん主宰の”アトリエ・イド”の、ニット、かご、リネンなどのワークショップから派生したウェアや雑貨が続々と。

テンでも好評で何度か展開しているリネンウェアは、こだわりのリネンが特別に質の良い生地。
テクスチャがほどよくバルキーなため、見た目も寒々とせず真冬でも心地よく着られるのです。
従来のたっぷりキュロットやパンツに加え、ストンとそのままかぶって着るゆったりローブ、ベストもお目見え!
また、今回テンでの秋の企画で初登場のニットフェルトとニット作品。
編地を縮絨(フェルト化)させるという工程を経るニットフェルトは、その特質”張り”と”保温性”が特徴。
それを最も発揮できるティーコゼを発表したところ、かぶろうとする人が続出したことから、帽子が誕生したそう。
そして、ニットフェルトで出た端糸を利用して作られた『しましまニット』。
手回しのドイツの輪編み器を使って編み上げたえりまきは二つと同じものはありません。
首に一巻きすることで形がキマるデザイン。

リハル作品は、着心地、素材感、ボリュームやシルエットにいろいろな工夫がなされています。
素材はリネン、ニット、ニットフェルトといろいろですが、今展のテーマの赤に注目してみてください。
鮮やかな赤も、素材や糸によってニュアンスが違い、コーディネートのアクセントに。
なぜか秋になると赤が気になります。ぜひご自身のアレンジをお楽しみくださいね。












コラム vol.129 "赤地径さんの赤" "フクイリハルさんの赤"