杉村徹さんの作品力
茨城県龍ケ崎市で木の家具や器を制作されている杉村徹さん。
ギャラリーテンの企画展でお世話になるのは8回め。
常に穏やかで冷静で優しい杉村さんは、出会って15年の今も全く変わりません。
テンでも私の自宅でも、杉村さん作品がいつも側にあり愛用しています。
杉村作品には長年のファンがたくさんいらっしゃいます。
ビシっと芯が通っていながら、クールな遊び心がかいま見える。
木の温もりを感じつつ彫刻作品のような生活の道具を使えるシアワセ。
最近杉村さんは立ちのある器(鉢状のもの)を作るのが楽しいのだそうです。
木の塊を彫り進めていくうちにオブジェのようなカタチになっていく。それが器として使える。
手が自然と動いていくのに任せてできるフォルムのバランス感度の高さにほれぼれします。
作業をしながらラジオで、音楽をはじめ対談番組を聴くことが多いのだそうです。
新聞でサラっと読む時事情報だけではなく、ラジオ番組のパーソナリティやゲストの生の声は、
社会的に深くほりさげられるおもしろさがあり、いろいろ考えさせられるとおっしゃいます。
今回も、スツール、テーブル、壁の棚、器など、洗練された杉村さんの木工作品を展開。
サイズや材種のご注文も承ります。
ぜひご高覧くださいませ。
加藤仁志さんの作品力
岐阜県土岐市で生まれ育ち、現在もその土地で作陶されている加藤仁志さん。
真面目で誠実なお人柄は、作品そのものでもあります。
大阪芸術大学で陶芸を専攻し、卒業後、地元の土岐市立陶磁器試験場で2年間、
岐阜県の陶芸家のもとで1年半勉強したのち、独立。
山に土を採りに行き、それらを砕いてふるいにかけて水に浸して粘土にする。
いまや、ほとんどの陶芸家が業者から粘土を買い求めるのがあたりまえですが、
土づくりから加藤さんのものづくりが始まるのです。
磁器に至っては薪窯で焼成。
カタチがシンプルで正統派。用の器としてとても重宝します。
肌は、品のある粉引きや、クールな瑠璃釉、深みのある白磁、どれも料理が美味しそうに映える器です。
オーソドックスが故に、その器に力がなければ安っぽくなってしまいがちですが、
加藤さんの器には何か色気のようなものが感じられ、そのものに確かな魅力を包容しています。
食卓に落ち着いたアクセントが加わります。
今回は初の加藤展。
カップ、皿、鉢、ポット、耐熱皿、土鍋、・・・・・などなど、300点の作品が勢ぞろいする予定です。
どうぞお楽しみに。
コラム vol.119 "杉村徹さんの作品力" "加藤仁志さんの作品力"