ギャラリーテン/gallery ten〜コラム vol.134 "坂井千尋さんのbeside me" "小高善和さんのbeside me"

ギャラリーテン/gallery ten〜コラム vol.134 "坂井千尋さんのbeside me" "小高善和さんのbeside me"

<2020年4月号>

坂井千尋さんのbeside me

東京日野市で作陶する坂井千尋さん。
モノクロの切り絵のようなシンプルな輪郭がなんともモダン。
器に描かれた思わず頬ずりしたくなるほど愛着のある動物たちに癒されます。

千尋さんの作品は一見で彼女のものだとわかりますが、年々バリエーションが増えてきています。
いつものようにモノクロの器を作っていても、どんなサイズのものが使いやすいのか?と、定番の器を新たに作ってみたり
うつわの強度を出すにはどうしたらよいのか?と、材料の配合を変えてみたり
絵柄はどんなふうにふやしていこうか?とモチーフを探したり
・・・・・日々、なにかしら考えており、満足のいくものを作るためには工夫や試行を大切にし作陶していると言います。
今後、違う柄を気に入ってもらえた時、少しずつ器を買い足せるよう同じサイズの器を作り続けています。
遊び心を忘れず、変化と不変を上手くバランスをとって制作すること、絵で仕事の幅を広げていくことをめざします。

千尋さんの8歳と5歳の二人のお子さんは、陶芸をしたいとよく仕事場にくるらしく、下の娘さんは陶芸家になりたいと。
積極的に陶芸をさせたいとは思わないまでも、母の姿を見て興味を持ってくれることがうれしいのだそう。
千尋さんの温かな人となりが表れた作品は、それに寄り添うことで、こちらもほっこりできるという存在になるのです。









小高善和さんのbeside me

ten では毎春恒例の小高善和さんの企画展。
きちんと統計を取っているわけではありませんが、小高靴を買っていただく方の約7割はリピーターです。
このことが何を意味するか? 「良いものだからまた買う」のだと考えます。
”良い靴”とは何か? デザイン、履き心地、耐久性、・・・・・はもちろんのこと、でもそれだけでもない気がします。
メーカーやブランドの靴でステキなものはたくさんありますが、足に合わないまま履いていることはありませんか。

小高靴は、木型づくりからのフルオーダー、展示サンプルと同じデザインでサイズ調整と革の色が選べるセミオーダー、
サイズと色が合えば持ち帰ることができる既成靴の3種。
たいていの場合、会期中は毎日小高さんがお客様の対応をし、細かい調整、ご希望を伺います。
自分の足に寄り添う靴は、これほどまでにきもちのよいものかを実感します。
その身体の一部になったかのような自然な一体感は、そのうち愛着と化し、離れられない存在となります。
外反母趾など足にトラブルを持つ人は特に、足をしっかりホールドし整えることが肝心だそう。
靴をきちんと選ぶことが健康にもつながってきます。
底がすり減ったり、履き口が緩くなってきたり、何か不具合が出てきた際には、小高さんがメンテナンス。
そしてまた、ずっとずっと使い続けていけるなんてうれしいことですよね。







コラム vol.134 "坂井千尋さんのbeside me" "小高善和さんのbeside me"