ラファエル ナバスさんの元気が出る作品
愛知県常滑のラファエルナバスさんのアトリエは、いつ伺っても刺激的です。
ラファさんの“好き”がつまったアトリエ。
たくさん色が使われていますが、妙に落ち着きます。
毎回、ラファさんの愛犬フレンチブルドッグ・ルナちゃん♀からは大興奮で歓迎されます。
たぶんウチのフレブル・フル♂のにおいがプンプンするのでしょうか。
1年半ほど前にラファ展をしたとき、私が買い求めたバッグ。
このバッグを持ってどこかに行くたびに必ずと言ってよいほどバッグを褒められます。
私も調子に乗って「この内側にも絵があるんですよ。こっちはステッチが・・・。」と自慢げ。
スペインの美大では絵画を専攻されたラファさん。
来日後、愛知県立芸大で版画を、窯業学校で陶芸を学びました。
ラファさんは、版画や陶だけではなく、鉄や布や木など、あらゆる素材に作品は及びます。
どれを見てもラファワールド炸裂です。
常設展示していたはずのラファさんのマグカップは、あれよあれよという間に完売。
カフェではラファさんのカップでコーヒーを出すと大反響。
また、闘病されている方、被災された方を元気づけるために贈るという方も数名いらっしゃいました。
ラファさんの奇想天外でホッとする作品が、こんなに人を楽しい気持ちにさせるのかと感心します。
これはヴィヴィッドな明るい配色に加えて、ラファさんの絵の世界が優しくて子供の絵のようなのです。
ラファさんはスペイン人ですが、とても日本的な気質をおもちです。
ラテン系とは言い難いシャイで実直な人。
でも、作品については、確固たるポリシーというか独創性に裏打ちされた大きな魅力があります。
今回は、マグカップ150点、版画・ドローイングもたくさん勢揃いします。
元気百倍になれる体感をぜひ。
沖縄のフェルト作家・奥野美和さん
昨春、沖縄に旅行し、ウロウロしていて見つけたお店でいただいた会期が終わったばかりのDM。
そこには愛くるしいフェルトの動物が写っていて、会期に間に合わなかったことをとても残念に思っていました。
あとでわかったことに、その作家のお店“島しまかいしゃ”がすぐ近くにあったとのこと。
千葉に帰ってきてからも、どうしてもその作品が気になって、沖縄の作家さんに仲介を頼みようやく連絡がとれました。
暑い沖縄でフェルトを作るということがとても意外な気がします。
作家の奥野美和さんにきっかけを尋ねたところ、
石垣島にお住まいの時、子供のお母さん友達とシュタイナー系の自主保育活動をしていて、羊毛でいろいろ作っていたことだそう。
その後、沖縄本島に移り住みだしてから、ヤンバルクイナやジュゴンなどの希少動物をはじめ、
大自然が好きで、動物や人が住みやすい地球や命の繋がりを守っていきたいという想いで制作をするようになったとのこと。
奥野さんのフェルト作品の動物は、リアルなディテールを用いながらも体のバランスが少し違い、
ユーモラスで絵本のキャラクターのような温かい存在となっています。
フェルトの造形をつくるのにはかなりの手間がかかります。
羊毛を縮絨化してから、パーツは針でチクチクと刺しながら作りこんでいきます。
その丹念な作業は、命ある生物に対する祈りを具現化している奥野さんの想いがつまったものなのでしょう。
情熱のオトコ・栗田貴士さん
11月から月に一度のランチを始めました。
それは情熱のオトコ・栗田貴士さんに出会ったから。
彼は、千葉・四街道市で“kiredo”という農家を営む若者です。
大学卒業後、ソフトウェアエンジニアとして金沢で会社員をしていた時に、
金沢市の有名レストランに卸している農家・中野さんの畑で感動の野菜に出会い人生が変わりました。
一転、その畑に修行に入り、その後、千葉・八街市の“エコファームアサノ”で修行へ。
中野さんと浅野さんのお二人の師匠がいらっしゃるわけです。
浅野さんは大変有名な農家で、私も数年前から何度かテレビで見知っていました。
世界中のおもしろくておいしい野菜を育て、都内の限定されたレストランにのみ卸しておられ、
「食べてみたいなぁ。でもそのレストランに行かなければ食べられないなぁ。」とずっと思っていました。
栗田さんが“kiredo”を立ち上げたのは、それらの野菜を一般の人にも食べて驚いてもらいたいから。
日常の暮らしの中で、畑にひょいと遊びに来て野菜に親しんでもらいたいという大きな願いのもと、
畑では年間150種類以上の東洋から西洋の珍しく美味しい野菜を生産します。
楽しい野菜を楽しく食べることを、face to face で伝えたい栗田さんの野菜。
そんな食材を使った月イチのランチもお楽しみいただきたいと思います。(詳細は毎月の企画展のページでご確認ください)
コラム vol.50 "ラファエル・ナバスさんの元気が出る作品" "沖縄のフェルト作家・奥野美和さん" "情熱のオトコ・栗田貴士さん"