ギャラリーテン/gallery ten〜コラム vol.94 "宮内知子さんの木の皿" "アトリエひこの大江正彦さん・中正人さん・茶谷節子さん・金昌裕さんの絵" "TIGRE BROCANTEの服"

ギャラリーテン/gallery ten〜コラム vol.94 "宮内知子さんの木の皿" "アトリエひこの大江正彦さん・中正人さん・茶谷節子さん・金昌裕さんの絵" "TIGRE BROCANTEの服"

<2016年9月号>

















宮内知子さんの木の皿

東京生まれ東京育ち、現在は京都で木工の器を制作する宮内知子さん。
武蔵野美術短大で陶芸を学んだあと、京都に移住。
大学時代に木工の授業がおもしろかったということが現在の知子さんの作品につながっています。
木工の作家さんはたくさんいますが、知子さんはそこにキュートな絵柄が施されているのが大きな特徴。
ただ筆で描いているのではなく、マスキングで塗り分けたり、彫ったところに漆を入れた”象嵌”という技法にて。
簡単に工程をたどってみるだけでも大変な手間がかかっています。以下、右の画像とともに作業工程をご覧ください。

1. 木工旋盤でお皿の形に加工する。
2. 漆で絵(下描き)を描く。
3. 皿にテープを貼り、マスキングする。下描きに合わせてカッターで切っていく。
4. 漆を入れたいところのテープをはがす。
5. リューターで下描きに合わせて彫っていく。
6. 地の粉に水、生漆を入れ混ぜる。
7. ヘラで漆を塗る。
8. テープをはがす。
9. 漆が乾いてから紙やすりで研いで、余分な漆を取る。
10. 食器用の塗料を施してできあがり。

知子さんの絵皿は飾るだけではなく使って楽しめるのだから食卓が華やかになります。
現在、とても大きな皿にチャレンジ中とのこと。楽しみです。






アトリエひこの大江正彦さん・中正人さん・茶谷節子さん・金昌裕さんの絵

大阪市内にある知的障害のある人たちのアトリエです。
1994年、ダウン症のある大江正彦さんのお母様によって開設されました。
”ひこさん”こと正彦さんをはじめ、14人の方が通っています。
今回はその中で、私の独断によりセレクトした4人の作者の絵を展開することになりました。
みなそれぞれ独創的で人の心をわしづかみにするようなすばらしい絵です。
ぜひご高覧ください。

◎大江正彦
 1965年大阪市生まれ。重い心臓疾患をもつため、家でじっとしていて楽しめることの一つとして幼い頃より絵を描き始める。
 大好きな動物や身の回りにあるもの何でも描く。アトリエでは夕方から22時頃まで描いている。
 なぜか大相撲の表彰式に合わせて絵を完成させる。
◎中正人
 1961年大阪市生まれ。 木炭が好きで手も顔もそこら中真っ黒にしながら制作。
 穏やかな風貌と性格で、どんな環境の中でも楽しみを見つけては笑っている。犬と大きな音が苦手。
◎茶谷節子
 1962年大阪生まれ。半身マヒがあり、左手でなんでもこなす。
 根気のいる細かい描画や刺しゅうや1000ピースのジグソーパズルを難なく仕上げた。根気と根性の持ち主。
 絵の中には身近な植物や飼っている犬たちがよく登場する。
◎金昌裕
 1987年大阪市生まれ。絶対音感の持ち主で一度聴いた曲は忘れない。いつも歌いながらダイナミックに大画面を塗り込む。
 今展のドローイングはどれもおやつの時間にわずか数秒ほどでささっと仕上げたもの。コップとお皿が必ずどこかに描かれている。






TIGRE BROCANTEの服

昨年2月、gallery tenで開催した ひこさんの絵の展覧会では多くの方の感動を呼びました。
その時に出展されたトラ(ネコ?)の絵が、TIGRE BROCANTEの社長・野崎さんの目にとまり、
この秋冬コレクションにて、ひこさんのトラの絵をプリントした生地で作られた服が登場!
今回の企画展のテーマはずばり『トラ』。
TIGREのトラ柄のシリーズ、他の新作、定番など、大人のカジュアルスタイルをたくさん提案します。
tenでは何度めかのTIGREの展覧会。 徐々にファンも増えてきています。
ぜひ秋にむけて気分があがる服を探しにいらしてくださいね。














コラム vol.94 "宮内知子さんの木の皿" "アトリエひこの大江正彦さん・中正人さん・茶谷節子さん・金昌裕さんの絵" "TIGRE BROCANTEの服"